以前から観たかったアメリカ映画の「ドライビングミスデイジー」の放映が、先日NHK-BS放送であったので、録画再生で観ることができた。

1990年封切だからかなり古い映画。

ユダヤ系白人の頑固な老婦人と実直な黒人の雇われ運転手との交流を淡々と描いただけの映画なので地味といえば地味だが、いかにもアメリカ映画らしいヒューマンタッチが、精神的に疲弊しているこのところの日常の中では大変心地良かった。

実直で朴訥で誠実な運転手を演じたモーガン・フリーマンさんは、日本人俳優で言えば小林稔侍さんの感じだろうか?

場面場面で印象に残る気になるセリフがある。

「あなたは運転手を必要とし、私は仕事を必要としている。それだけのことです」

という言葉があったと思えば

「私は、あなたを目的地へ運ぶだけの存在ではありません」という言葉も・・・

最後の方で「なんとかやっています。それが人生というものでしょう」というセリフもあった。

この映画は、母の介護に悩まされて精神的に疲れ切っている今の私の心境の中では、完全に二重写しになっているので、フリーマンさん演じる黒人運転手ホークの言葉がグッとくる。

「なんとかやっています。」という言葉は、日常的に社交辞令で使うことが多いが、文字通りの言葉の意味的には「ギリギリのところで踏みとどまっている状態」を指す言葉。

神様に日々の祈りの中で語りかけるようにこの言葉を添えたくなった。