カトリの日記

・日々の雑感とともに、主にカトリック教会について書いているブログです。

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・キリシタンの時代から現代までの「カトリックの日本人」や「伝統的典礼」「教会建築」「教会音楽」 「宗教美術」など興味関心はいろいろ。

2011年09月

ド素人なりの感想ということで音楽の話を続けます。
今回は「ドン・ジョバンニ」について。
「ミサ曲じゃないじゃないか!」と言われてしまいそうですが、このオペラは、ちょっとカトリックな感じがします。

モーツアルトの晩年の大傑作。
主人公のドン・ジョバンニってドン・ファンの事なんですね。知りませんでした。(恥)
ドン・ファンのモデルであるカサノヴァも、「ドン・ジョバンニ」を鑑賞した記録があるらしいです。

モーツアルトのオペラは「魔笛」のソプラノの印象が強いですが、「ドン・ジョバンニ」は、バリトン、バスの魅力。

シブいです!!


映画アマデウス(まだ印象を引きずってマス・・・)でも、非常に強烈で、重要な位置づけになっていました。トム・ハルスが演じるモーツアルトは、オペラのシーンを中心に、指揮をふるう場面がたびたび登場するのですが、この「ドン・ジョバンニ」の指揮の場面は、何かにとりつかれたような鬼気迫る迫力があって、もうピカイチでした。

映画アマデウスでは、第二幕 第15場 「晩餐に招かれたので参った〜地獄落ち〜」の場面だけなのですが、(それで「ドン・ジョバンニ」を語るのもどうかという感じですが)この場面はやはり強烈なインパクトがあります。

主人公ドン・ジョバンニに殺された騎士長が石像の亡霊となり、放蕩するドン・ジョバンニの前に現れる。

亡霊が「悔い改めよ!」と迫りますが、ドン・ジョバンニは悔い改めない。そしてついに亡霊によって地獄に落とされる。

怨念を持っての復讐ではなく神の使者という感じ。
幽霊と亡霊の違いでしょうか・・・

地獄があるからオペラ「ドン・ジョバンニ」は成り立つ。
やはり地獄は必要ですね。

現代人にとっての死後の地獄のイメージはどういうところなのかわかりませんが、私にとっては「無の世界」というのもやはり地獄で、最後に旅立つ時には「地獄ではない世界」を信じ感じつつ旅立ちたい・・・

ドン・ジョバンニは、俗なる日常や欲望に流される我々自身のように見えてきます。
カサノヴァはどんな気持ちで、このオペラを見たんでしょうね・・・

巨人の石像の亡霊は、後段の「レクイエム」の依頼人(死神?)の序奏ような不気味な感じで、映画のなかのオペラが映画と渾然一体となり劇中劇になっていく。その映画を私がさらに見ているわけですから映画に引きずり込まれますよね。

前回からの流れからするとフォーレのレクイエムについて書き進めるのが自然なのですが、同時にAmazonで買ったモーツアルトの「大ミサ曲ハ短調 K427」のインパクトが強烈!!

ということで今回は「大ミサ曲ハ短調 K427」についてです。

 大ミサ曲ハ短調K427グラモフォン、カラヤン、ベルリンフィルというクラッシック界の「本流、正統、王道」みたいなCD。

「はたして私みたいなド素人がこんな凄いの聴いていいんでしょうか?」と思いつつ、姿勢を正して実際に聴いてみる。 


これは凄い!

聖霊が天上から舞い降りてくるような荘厳さ!
目を閉じれば、まるでアミアン大聖堂にでもいるような高揚感!

そして重厚。まるで鎧を着ているような重さ。それも日本の鎧ではなく西洋のプレートアーマー。もう身動きがとれないというかなんというか・・・

いや、これは本当に 音楽の鎧 だと思いました。

例えばフォークミサがありそうなときの前に聴くのがいい。

1.「kyrie」「Qui tollis peccata mundi」を10回続けて聴く。
2. 頭の中でリフレインさせる。
3. 御ミサのときにギターをジャカジャカ弾きならす変な歌が聴こえてもガード


という感じ。

この曲は、モーツアルトがコロレド大司教に雇われていた時代に書かれた曲ではなく、フリーになってからの注文ではない自発的な作曲。
父レオポルトに妻コンスタンツェとの結婚を認められていなかったモーツアルトは、この曲で本気を示そうとしたそうです。

フリーになってからの宗教曲はこの「大ミサ曲ハ短調 K427」「アヴェ・ヴェルム・コルプス」「レクイエム」の3曲だけらしい。
しかし、その3曲が全て珠玉の名曲というのが凄い!!

大変な曲と出会ってしまいました!

カラヤン、ベルリンフィルの演奏は、映画アマデウスのときより、少しゆったりですがこのゆったりも大変良かった。
曲の素晴しさを充分に引き出した演奏なんでしょうね・・・

やはり「本流、正統、王道」がいい!!

もうひたすら 感謝 デス。

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プレートアーマーおまけ

プレートアーマーの画像を探してみました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Maximilienne-p1000557.jpg




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